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セメダインの分析

特に意味は無いって言ってますよ。シュタゲの見過ぎですね。意味なく買うなよと。

名前の通り、セメダインを作ってるところです。僕はこういう、「名前を聞いたら、何を売っている企業か大抵の人は分かる」企業が好きです。こういうのがブランドっていうのじゃないかと思います。ええ、接着剤であってもです。


銘柄分析にはいります。

現在の株価は¥765

PER:11.4倍。PBR:0.98倍。ROE:9.287% (全て連結)

自己資本比率は52.19%

配当利回り:1.30% 配当性向:14.68%

売上高営業利益率:4.67% 売上高経常利益率:4.22% 売上高当期純利益率:3.69%

売上高は傾向としては伸びていますが、それ程上がってはおらず、若干ガタガタしていますね。直近では、会計基準の違う会社を吸収したことも一因のようですが。

逆に言えば、景気に左右されずに一定の売上を出せているという風にも言えますか。

当期純利益はより大きくガタついています。一応、上がってはいる?感じです。

注目したいのはむしろ経常利益。右肩上がりで、かつ明らかに売上高より上昇幅が大きいです。なぜ、売上高が微増~微減の中で急に経常利益が増加しているのでしょうか?

また、決算書にある「研究開発活動」が気になります。



PERは11.4倍。一般に割安の基準といわれる15倍より低いです。同業他社のPERですが、「ボンド」を製造しているコニシとほぼ互角です。甲乙つけがたし、コニシ、良いなあ。

コニシ以外の同業者は15倍以上の業者もそこそこあります。

PBRは0.98倍。こちらもコニシと互角。ですが、解散価値以下は流石に安すぎるとは思います。

以上から、収益・資産の両面から割安と考えます。

配当利回りは1.30%。配当性向的には増配余地は十分です。売上がさほど変わらないとはいえ、利益がかなり上がっても配当金は据え置き。企業として増配への気持ちは薄いのでしょうか?



良い点・購入するときに注目した点

購入した時に注目した点・・・。

特に意味は無いって言ってますしね。安いから以上の理由は無かったのでしょう。

では、良い点は?

ここで、経常利益が大きく伸びた理由と「研究開発活動」ついて考えたいです。

経常利益が大きく伸びた理由について、

2015年3月決算書において、「セメダインプライド2023」というワードが飛び出しました。これによると、

・売上高の拡大とコスト体質の改善

・高付加価値製品の拡販

・海外売上高比率の向上

を重点施策として、業務の見直しや人事制度をはじめとする諸制度を整備するとのこと。

決算書を追う限り、コスト面の大幅改善は感じられませんでしたが、直近の2019年3月は大幅に改善しています。また、高付加価値商品の開発・市場投入は相応の効果を上げているようです。

「研究開発活動」について、

こちらも「セメダインプライド2023」に登場しますが、

細かいところは、良くわかりません!!

何となく決算書と総合して読んだ感じでは、


・従来モルタルが主流だった建築のタイル貼りを接着剤に置き換える動きが出ている。

 これに対応できる長寿命の接着剤は需要拡大が見込める。


・車の軽量化を競う自動車業界では、様々な素材を溶接でくっつけているが、

 人手不足や安全・工期短縮の観点から、接着剤で素材を繋げる事が有望視されている。


・最近のスマートフォンの防水機能は、シーリング材(接着剤)によるものである。


・環境負荷を考えた製品開発超大事


といったところでしょうか。

気になった方はぜひ、「セメダインプライド2023」をお読みください(丸投げ)。

とりあえず、接着剤と一口に言ってもとても奥深く、セメダインはその接着剤の能力を深堀することで、新たな市場を手に入れようとしてるっぽいですね。


以上から、この企業の経常利益の伸びは経営努力によるコスト削減と高付加価値商品の投入、その高付加価値商品を開発するために研究開発を積極的に行っていることが分かりました。いたずらに多角化経営に走らず、自分の持つ最大の武器を磨き上げて別の市場に乗り込む姿勢は、個人的には好感が持てます。ただし、良い方向に向かっているとはいえ、特に高成長とか、高利益体質というわけではない点は注意が必要です。




問題点・リスク要因

問題点が少ないところが、この銘柄の魅力でもあります。

特に、財務面の問題はありません。収益性も改善し、新商品もしっかり市場で成果を上げています。

しかし、敢えて言うなら、配当の低さでしょうか。利益が改善しても、配当は増えていません。接着剤に対する熱い想いがひしひしと伝わる会社ですが、株主に対する想いはそこまで感じられません。安定株主がほとんどの株を押さえていますから、特に株主還元に対しての姿勢が高くないのかもしれません。

ただし、「セメダインプライド2023」の名前の通り、2023年にセメダインは創業100周年を迎えます。記念配、期待してますよ!


え?まさか無いなんて言わないでしょ?ねぇ??



結論

購入時点の価格【¥706】では割安の判断でした。

そして、現時点の価格【¥765】でも割安と考えます。

もちろん、現時点での判断はホールドです。もう恒例ですが。


今回のセメダインは、正直滅茶苦茶お勧めできる銘柄ではありませんが、財務体質が非常に良く、収益構造を高収益型に変えていこうという姿勢が見えます。また、化学メーカーとしては割安・接着剤メーカーとしては妥当~割安・PBRで1倍弱、という状態に思うところがあります。

すなわち、現在のセメダインの株価は、基本的に今のセメダインのビジネスの価値しか織り込んでおらず、研究開発による新製品の市場開発や、今後の利益構造の改善までは、市場は期待していないのではないでしょうか。

逆に言えば、これは今のセメダインの株価が「事業改革に失敗したセメダインの株価」であり、成功した場合は当然あがり、失敗しても最初から市場は期待していない、ようはそれほど株価が落ちることはなく、このままPER10倍、PBR1倍に落ち着く、という予想です。

完全に個人の考えですが。


ただ、僕的にはセメダインは安全域を確保しながら事業の成功次第で上を狙える銘柄と考えます。いぶし銀銘柄でしょうか。


結論としては、やはり強くお勧めできませんが、一定の投資妙味があるとは思います。他にも魅力的な銘柄がありますので、それらを買って、微妙に資金が残っていたら購入を検討するに足る銘柄と考えます。2023年まで持っていられる自身がある方は、一度チェックしてみるのも良いでしょう。記念配・・・・出るよね。当然出るね。そら~ね。そら~~ね。


出るよね・・・・記念配・・・・・・・。


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